「へえ〜、そんなに仲がいいめいっ子さんがいるなんて羨ましいなぁ。俺、仲のいい親戚なんていないからなぁ」
「ひとり旅は少し寂しかったから、親しくなれてよかったわ……」
「るいさんの占いでは、この旅はどう見えていたんですか?」
茉里香が尋ねると、るいはふふんと笑う。
「自分の未来は、占わないことにしているの。……それにわたくしに占わせるなら、高くつくわよ」
「あっ……やっぱりこう、行き当たりばったりの旅も楽しいですよねー!」
茉里香があわてて目をそらす。
そのとき、ピンポン、と車内に音が鳴った。
『ご乗車、ありがとうございました。まもなく、終点の……』
アナウンスを聞いて、茉里香が首をすくめる。
「うへえ、とうとう終点まで来ちゃった……」
茉里香は現実に引き戻されたような気がした。
まあでも、勉強をしに学校に登校するわけではない。
少なくとも宿に泊まりに行く目的は「癒し」のはず。もっともっと気楽なはずだ。
茉里香は自分に言い聞かせた。
しかし。
「吹雪いてる……」
電車から降りると、再び極寒の地だった。
しかもホワイトアウトしそうな、横殴りの雪だった。
無人駅の改札をくぐると、一台の黒色のワゴンが止まっていた。
宿の送迎ワゴンだ。
四人とも、雪から身体を庇いながら車に乗り込む。
道はすでに雪で覆われ、車はゴトゴトと揺れた。周囲は木々に囲まれ、さらに奥へ、奥へと進んでいく。
まだ僻地へと向かうのか、と茉里香はうんざりしていた。
「雪の山道って、登れるもんなんだねえ」
慧がひとり言のようにつぶやくと、運転手が笑いながら言った。
「登りは結構いけるんもんですよ。お客さんが降りちゃうと、リアが軽くなって滑りやすくなるんですけれどね」
「へー。雪が降る所は大変だね」
二十分くらい車に揺られただろうか。
茉里香のおしりがそろそろ痛くなってきたころ、山のなかの開けた場所に、ようやく宿が見えてきた。
助手席に座っていた暦が振り返って言った。
「まりちゃん、あれが雪月華(せつげつか)。今日泊まるお宿よぉ〜」