あめふり -- 01


次の日。
夜から降り出した雨は、まだ止むことがなさそうだった。

は早めに食卓を覗いてみたが、そこにベルナデットの姿は見当たらなかった。

「おや、。おはようございます」
「郵便屋さん……あの、ベルナデットさんは?」
「朝早く、出かけていきましたよ。今日はこの家にもどらないとか」
「あ……なにか、変わった様子はありませんでしたか?」
「? いえ、特には……」

は、だんだん不安になってきた。


「おにいちゃん、わたし、ちょっとベルナデットさんを探してくる」
「あれ、家の中にいなかった?」
「うん、出かけたみたいで……」

は、同じ部屋を借りている。
昨日からはフミも加わり、少しにぎやかになっていた。

「私もいっしょに探します」

フミが言って、が苦笑して首を振った。

「……ううん、フミはおにいちゃんといっしょにいて。ベルナデットさんと、ふたりで話したいこともあるから」

そう言うと、はぎこちなく部屋を出ていった。
ふしぎそうにの姿を見送ったフミに、が声をかけた。

「……昨日、この家に住んでいるアルノっていう男の子のおばあさん、フィリーネさんが亡くなったんだ。
アルノのことも気がかりだし、ぼくはこのあとフィリーネさんのところに行くけれど、フミはどうする?」
「私も行きます。別れはかなしいことですが、きちんとしなければいけません」

フミは表情を変えずにそう言った。
その様子が、なんだかには、郵便屋と重なって見えた。