アルノたちを連れてルイスの家へとやってきたは、とびらのまえでひざをかかえて座っているを見て、おどろいた。
「、どうした? なかに入らないのか?」
が声をかけると、がぶんぶんと首を横にふった。
アルノとロミィ、そしてベルナデットは家のなかへと入っていき、だけがのそばへと残った。
は先ほど郵便屋から聞いた話と、自分が見たゆめのことについて、に打ち明けた。
話を聞いているうちに、の瞳はだんだんと見開かれていった。
「僕も、さっきベルナデットから同じ話を聞いたんだ。そして彼女自身も、その『悪夢』を与えられた者なんだ、って」
「ベルナデットさんも? それは、どんな……」
「日にちをまたいで、人の記憶にとどまることができないんだそうだ。今朝、アルノとロミィがふしぎそうな顔をしていただろう?」
「そんな……、あれ、でも」
「ああ、そうなんだ」
がうなずいた。
「ぼくたちは、ベルナデットのことを覚えていた。同じ『悪夢』を与えられた郵便屋さんが、ベルナデットのことを覚えているのと同じように。
……これってつまり、ぼくたちも十中八九、その『悪夢』を与えられた者、ってことなんだろうけれど」
「わたしたち、べつになにも願ったりなんか、してないよね?」
とが顔を見合わせた。
それから、ふたりとも同じことを思いついたようだった。