つづく5現目、6現目 -- 05


リーン、ゴーン。
6限目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。

誠は部屋の壁にかかっている時計を見上げた。

「……もうこんな時間か。越智さんはこれからどうするの?」
「ほんとうなら家に帰りたいところだが……さっき試したら、学校の敷地の外に出ることはできなかった。
校舎の壁なんかは、すり抜けることができるんだが」

誠はふうむ、とうなった。

「……土地に縛られているのかな。じゃあ、今夜は僕が学校に残ろうか?
その姿になってはじめての夜なら、ひとりで過ごすのも心細いと思うし」

しかし、飛鳥はふるふると首を横に振った。

「そこまで赤月君に迷惑をかけられない。
それに、これからはしばらくこういう暮らしをしていくことになるだろうし、夜の学校にも興味がある。
あとそうだ、先輩幽霊を知っているから大丈夫だ!」

誠は動きを止めて、飛鳥を見た。

「先輩幽霊って、さっきも言っていたね。昼間よりも夜のほうが、幽霊が多かったりするのかな」
「どうだろう。でも、なんだかわくわくする」
「うーん、大丈夫かなあ……」

まだ心配そうな誠を見て、飛鳥はふふ、と笑った。

「赤月君は案外、心配性なんだな。
……実は、赤月君とは生きているうちに一度、話をしてみたいと思っていたんだ。
学年で成績がトップだという赤月君のこと、ずっと気になっていたから。
でも、死んでからでも願いは叶うものなんだな。想像していたよりも、ずっといい人だった」

飛鳥は、屈託くったくのない笑顔で言った。

「赤月君。今日はありがとう」

裏のない純粋なその笑顔に、誠は少し意表をつかれた。
しかしすぐに、

「どういたしまして」

と、気恥ずかしそうにほほ笑んだ。