「おはよう、探偵さん」
深神たちが食事をしているところへ、桜子がやってきた。
「誠、舞、それに青空ちゃん。ちょっと席をはずしてくれるかしら?」
舞は素直にうなずいて、誠と青空に声をかけた。
「行こ、お兄ちゃん、青空」
「あ、うん。……では深神さん、ハルカさん、また」
三人はそれぞれ深神たちに向かっておじぎをすると、席を離れていった。
深神は桜子にたずねた。
「……招待状の件はどうなりましたか?」
「まだ報告は受けていないわ」
いままで舞が座っていた席に腰をおろしながら、桜子が答えた。
「まさかこんなかたちで再確認することになるとは思っていなかったでしょうから、
きっと情報の照らし合わせに手間取っているんだと思うんだけれど。……ただ、今朝から高松と、連絡がつかないのよね」
「朝からずっと、ですか?」
「ええ」
深神の問いに、桜子がうなずく。
「通信機器の調子もあまりよくないようだし、機械が故障しているのかもしれないわ」
「そうだとしても、あんな事件があったばかりだ、すこし心配ですね」
そして深神はハルカに声をかけた。
「食事が終わったら、高松氏を探しに行こう」
「わかりました」
「……あ、それと、深神先生」
桜子がふと、深神に言った。
目線は、深神の皿にそそがれている。
「……そんなに甘いものを食べてばかりだと、虫歯になるわよ?」
深神の皿の上には、誠と同様……もしかするとそれ以上に、甘味にあふれていたのだった。