夜の海(a)


ハルカは舞や鈴音と別れたあと、深神と合流した。
そして食事を終えたふたりは、一度部屋にもどることにした。

深神とハルカが今夜泊まる予定の部屋は、七階にある七一六号室の部屋だ。
ふたりが七階にむかうために階段をのぼっていると、 六階のおどり場で、上の階から降りてきた青いドレスの少女……西森青空とばったりと出会った。

「おや、青空ちゃんじゃあないか」

深神に声をかけられた青空はびく、と身体を震わせたあと、か細い声であいさつをした。

「こ、……こんばんは。深神さん、ハルカさん……」
「青空、これからどこへ行くんだ?」

ハルカにたずねられて、

「あ、えっと……」

あわあわとしながらも、青空は答えた。

「外の空気、すえる場所を探していて……」
「ああ、それなら四階にデッキがあるよ」

それからハルカは、深神を見上げた。

「深神さん、青空のこと、デッキまで送ってきます」
「ああ、そうするといい。私は先に部屋にもどっていよう」

ハルカは深神と別れると、青空といっしょに階段を降りていった。