げほっ、げほっ! | |
……な、なんだ!? | |
「なんだ!?」はこっちの台詞だよ……ッ! ここはどこ!? うわッ、俺の2Pカラー!? きもちわるッ! | |
ぼ、ぼくからしたらきみのほうが2Pカラーなんだけれど…… | |
いやいやいや、っていうか2Pカラーのくせに俺より背が高い! ありえないでショ!? | |
だって、きみはまだこどもじゃないか…… | |
きーっ、うっさいなあ! 俺はこう見えても森・の・神・さ・ま!! キミたちの何百倍も長生きしてんの! わかる!? | |
……森の神さま……、もしかして、この『緑の背表紙の本』のなかに出てくる……? | |
本? ……あー、なるほど、そういうことか。こっちではもうそんな時期なんだね。 | |
……? なにを言って…… |
まずい! 『あいつ』が帰ってきた……! | |
は? あいつって? | |
説明しているヒマはないんだ! あいつに見つかったら、そこにいる人があぶない。どこか隠れる場所は……、 | |
目のまえにあるじゃん。 | |
へ? | |
だから、本のなかだよ。俺は森の神さまだから、向こうの森に帰りさえすれば全能だ。そしたらこいつを、『もとの世界』に帰すことができる。 | |
きみ、自分の意思で本に帰ることができるの? | |
できるよ、まえにもしたことがあるしね。2Pカラーはどうする? キミも向こうに行けば、俺がキミの願いも叶えてあげられるけれど。 | |
2Pカラーって言うな。 ……ぼくの願い……、か。 | |
……、いや、いいよ。ぼくがすべきことは、この場所でしかできないから。 | |
……そ。じゃあそこのアンタ、さっさと行こうか。……悪夢の覚悟をしときなよッ! |